2011年10月8日土曜日

バンビ ミルクキャラメル (北海道小樽市)


対象商品
「バンビ ミルクキャラメル」(北海道小樽市)

商品コンセプト
 この商品のコンセプトは「小学生の遠足の時に食べたおやつ」だと思います。
 米菓やキャンディが日常のおやつであるのに対して、キャラメルやチョコレートには“特別なときに食べるおやつ”というイメージのDNAがあるのではないでしょうか。遠足というのは“特別なとき”であり、また“野山”“駆け回る”などのイメージもあるので、子鹿のイメージと重なって魅力的なコンセプトになっていると思います。
 またチョコレートは今も新しい商品がどんどん出て鮮度の高いカテゴリーであるのに比べて、キャラメルはどこか懐かしさを感じるカテゴリーなのではないでしょうか。そのイメージが、“小学生”という懐古イメージに結びつくと思いました。
 暖かい春の日の遠足で、友達と一緒に芝生の上に座ってお弁当を食べた後、ちょっと柔らかくなって紙にくっつきかけたキャラメルを頬ばったときのほのかな甘さ…というシーンとシズルが浮かびます。

プロモーションをするとしたら
「毎日北海道記者和田浩幸のサブノート」というブログには、ウォルトディズニーから商標を得て発売してヒット、チクロ騒動の影響で発売中止、30数年ぶりに復刻し爆発的な人気に、原油高によりメーカーが倒産、大手メーカーのブランド買収を従業員が阻止、情熱にかき立てられた取引先の菓子卸業社が製造工場を建設しブランドを継承~というブランド復活のエピソードが書かれています。この物語こそがプロモーションの素材になると思います。人が見えるブランドストーリーは、ユーザーのココロをつかむ最大のツールです。

地域産品商品開発の参考になる点
 「バンビ ミルクキャラメル」には「ノスタルジックキャラクター遺産」という価値があると思います。
 この商品の「バンビ」のようなノスタルジックなキャラクターは、大人だけでなく子供も含めた多くの人をひきつける魅力があります。また、遺産とは長い年月を経ても変わらない普遍的で魅力的な価値を、世の中に広く提示する装置のことだと思います。だからこの世界遺産やジオパーク*に注目が集まっているのでしょう。

 都会が次々と新しいコンテンツを生む場所であるのに対して、ローカルはこういったノスタルジックなコンテンツを綿々と作り続けている場でもあると思います。そういったコンテンツを掘り起こし、新しい息吹を吹き込むことで魅力的なブランドが必ずできるという確信が持てました。

*ジオパークとは地球科学的に見て重要な自然遺産を含む、自然に親しむための公園。日本ジオパーク委員会 では「大地の公園」という言葉を使っている。(wikipedia)



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