2011年10月3日月曜日

海のくんせい屋 (高知県室戸市)




対象商品
海のくんせい屋 (高知県室戸市)

商品概要 ※商品説明等を引用
 獲れたての鮮魚を衛生管理されたクリーンルームで調理し、海洋深層水と塩を使って燻製にしたもの。食べやすいようにスティック状に加工されている。無添加で保存料不使用。

製造者 株式会社マリンファーム
価格:15g 158円(税込み)

品質(試食の感想)
 くんせい独特の香りと濃厚な味にインパクトがあります。食感は、最初は歯ごたえがあるものの、食べ進むうちにホロリとくだけていく感じがおもしろいです。

商品コンセプト
 この商品の魅力はシイラ(マヒマヒ)という“珍しい魚のくんせい”という点にあると思います。
 ユーザーがこの商品を店頭で見たら、「マヒマヒ?へぇーなんだろう」「おもしろそう、ちょっと食べてみよう」「飲み会に持って行ったらウケそう」というポジティブな感想を持つのではないでしょうか。
 酒の肴の商品開発では、健康や製法に加えて話題づくり(珍しさ)も大事です。その考え方にこの商品はあっていると思います。

 今後、こういった珍しい種類の魚のくんせいが増えれば、「くんせいカテゴリー」が活気づくでしょう。果物や野菜カテゴリーは、新種・海外物・国内のご当地物などのいろいろな品揃えが百花繚乱で楽しいです。そういった活気のあるカテゴリーには自然に消費者の目が集まるので、例えば豆苗や食用ホウズキなどの新顔がすぐに話題になります。
 この方程式が「海のくんせい屋」にあてはまると思います。「くんせいカテゴリー」全体で深海魚などの“聞いたことはあるけど食べたことはない魚”を商品化していくと活気づくのではないでしょうか。

ネーミング
 「海のくんせい屋」はブランドの傘にあたる屋号的な位置づけでしょう。
 マヒマヒという名前にはインパクトがあるので、それを前面に出す考え方を探った方がいいと思います。実際、売り場ではメジャーな魚が多かったので、マヒマヒは目立っていました。

パッケージ
 色使いやレイアウトにセンスがあって、あかぬけていると思います。
 今後の方向性として、上記のようなコンセプトでいくとしたら魚の写真などを使って珍しさや面白さにフォーカスすると目をひくデザインになると思います。

プロモーション
 FacebookやTwitterの普及で、珍しいモノや面白いモノを探して紹介するソーシャルコミュニケーション(キュレーション)が盛んになっています。このようなコミュニーションにフィットする話題性をしかけると効果があるのではないでしょうか。
※たとえば、「マヒマヒ食おうぜ!」というブログにあった、マヒマヒくんせいのチャーハン というメニュー提案など、おもしろいと思います。

参考になる点
 魚は食肉よりも多種多様な種類があるカテゴリーです(マーケティング用語で言う「バラエティシーキング」)。このケーススタディで、魚のくんせい商品の本質は、魚の多種多様な種類を食べる楽しさを提供することだと気づきました。
 例えて言うと、「居酒屋のメニュー選びの楽しさを食卓で再現する」という考え方です。不況の影響で家飲みが定着している昨今、「うち居酒屋」の商品開発に大きな可能性がありそうな気がしてきました。
(今のトレンドでは、「うちカフェ」などの「うち~」シーンは、要注目のシーン)

(2011.7.31 東京都中央区銀座「まるごと高知」で購入)



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