2011年9月12日月曜日

おりーぶぐらっせ (香川県小豆郡小豆島町)









商品概要
オリーブ果実(スペイン産)と砂糖だけで作ったオリーブグラッセ。
オリーブを種ぬきにし、糖蜜で長時間熟成し、乾燥させたもの。
製造者 東洋オリーブ株式会社
価格:368円(税込み) 内容量:100g

品質(試食の感想)
 オリーブというと、どうしても食べる前から独特の個性的な味を想像してしまいますが、予想外のソフトでやさしい味わいでした。(同様の意見は他のブログにもあります。)
まず、口に含んだときに砂糖の甘さが飛び込んできますが、グラッセらしからぬほのかな甘味で、これならたくさん食べられそうという気がします。肝心のオリーブの風味は後からじわっとやってきて、食べ終わった後もしばらくは高原の風のような心地よい余韻が続きます。噛み砕くよりも、口の中で転がし続けている方が味わいを楽しめる気がしました。

コンセプト
 オーリブの食品というと、まず、オリーブオイルやピクルスなどを思い起こすのではないでしょうか。
 そのオリーブをグラッセとして商品化した、という希少性がこの商品の第一の強みだと思います。オンリーワンの商品であるということで圧倒的なアドバンテージを持っているのは間違いありません。
 今後、検討が必要になるのは、この商品ならではの世界観の構築だと思います。オリーブに強烈な太陽の日差しが降り注ぐ地中海の風土というイメージが内在しています。一方、この商品にはジャパン&小豆島オリジナルというイメージが強いと思います(スペイン産のオリーブを使っていたとしても)。このあたりの調整が今後必要になってくるのではないでしょうか。

ネーミング
 シンプル&ストレートなネーミングでユーザーに最短距離で伝わり、かつ覚えてもらいやすいと思います。競合がいないカテゴリーでしかできない最強のネーミングでしょう。

パッケージ
 パッケージの形状はプチ高級感を感じさせます。これならば、ちょっとしたプレゼントや手土産でもおかしくないでしょう(画像検索すると、リニューアル前はビニール袋に詰めただけの簡素なパッケージだったようです)。
 「おりーぶ ぐらっせ」「とうようおりーぶ」と平仮名で処理をした商品メーカーロゴです。メーカーロゴには昭和30年創業のショルダーをつけ、和風イメージを強調しています。ソフトな味との整合性を考えると、これはいい考え方だと思います。
 その分、地中海のオリーブイメージは間引かれているので、店頭でのインパクト・目立ち感で損をしていることは仕方ないでしょう。
 今後、トライアルユーザーの獲得のためには、味イメージの訴求などを検討したいところです。(オリーブ独自の味ワードとはどんなものでしょうか?)

プロモーション
 オンリーワン商品であることの訴求が効果的だと思います。ユーザーの認知を獲得する手立てをとることがまず必要でしょう。
 ゆったりとしたカフェタイム、家でくつろぎながらお酒を楽しむときのおつまみなどのオケージョンが一番ピッタリきます。ただし、そのオケージョンは他カテゴリーの競合も多数いるので、ポジションの取り方には一考を要します。
ジャストアイデア:「女子会の家飲みおつまみで人気NO.1」などの話題作りや、例えば、グラッセカテゴリー全体の話題作りに関わり、その中で本商品の存在感を増すのも一つの手立てだと思います(ex.「ハーゲンダッツ アイスクリーム グラッセ」は今年大ヒットしています)。
 パッケージのところで述べたように、ネット通販では味イメージの訴求も大事な方策です。オリーブには平和の象徴というシンボルでもあります(今年あったオリーブ革命等)。この点からプロモーション案を自由な発想で考えてみるのもおもしろいのではないでしょうか。

参考になる点
 専門メーカーが、得意なアイテムで新たなカテゴリーに挑戦し、結果を残したケースとして参考になります(開発から販売に至るまでのエピソードを知りたいところです)。また、今後この商品をどのように育てていくかも見続けたいと思います。
 ブランドエクステンションを自力で行い、他社の参入を受け入れることによってカテゴリーを形成するという戦略もあるのではないでしょうか。
 海外由来のモノを和風化するという点でも参考になるケースです。もともと日本文化は、他国からいろいろなモノを受け入れ、日本流にアレンジすることに長けているのが特徴の一つです。この商品も、その流れの一つであるといっても大げさではないと思います。

(2011.7.31 東京有楽町の交通会館内 徳島・香川トモニ市場で購入)



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ご意見、ご感想は以下までお願いいたします。
Facebookページ : (有)オールマン