商品概要
かつおの身を特製たれで漬け込み炙り焼きにした。
保存料・着色料未使用、室戸海洋深層水使用、土佐清水産宗田鰹使用。
製造者 土佐倉株式会社
価格:189円(税込み)
品質(試食の感想)
本格的なかつおの味わいがあり、見た目は小ぶりだがしっかりした食べ応えがあって十分に満足できます。ソーセージを“ガブリ”と丸ごとかぶりつくシズルが合いそうな形状と太さで、ワイルドな食べ方が似合ういそうです。
(少しマニアックなアナロジー ☞ テレビドラマ「傷だらけの天使」のオープニングで萩原健一が魚肉ソーセージを食べるカット。これを見るとやたらソーセージをかぶり食いしたくなります。)
コンセプト
一言でまとめると、“かつおのうまさを手軽に味わえる、まるかじり・おつまみスティック”ということでしょう。
【かつおの味】=本格=土佐清水産宗田鰹使用
【かつおイメージ】=躍動感、はじける、荒々しい、タフネス、メジャー感
【まるかじり】=豪快、ワイルド=海の男の荒々しさ
【手軽】=スティック状・大きさと太さ・コストパフォーマンス
などの要素が商品から読み取れます。
ユーザー価値から考えると、まるかじりのシズル訴求、家飲みシーンの拡大にのった手軽なおつまみ訴求の2方向が将来の方向性として考えられると思います。
ネーミング
オーソドックスな直球勝負のネーミングでわかりやすいです。
ただし、インパクトや訴求力についてはどうでしょうか?
「一本釣り」のイメージについては、40代以上は青柳裕介のコミックから受けた影響が大きいでしょうが、20~30代層がどのようなイメージを想起するか知りたいところです。
パッケージ
「なとり」は「若年層の家飲みシーンの拡大」に気づいたのか、最近はターゲットを絞り、洗練されたパッケージ開発に取り組んでいます。実際、家飲み用の低アルコール商品の開発・発売も盛んになっており、この流れは今後大きくなるでしょう。コンビニのおつまみコーナーも商品ラインナップが変化しています。
本商品は現状でもデザイン的に洗練されておりソフト化路線を意識していることがうかがえます。実際、店頭でも目立つちます。商品ラインナップとカラーリングに特徴があるからだと思います。
今後さらにこのソフト化路線を強め、若年層を意識した方向性にシフトしてはどうでしょうか?カギはロゴの処理のような気がします。
プロモーション
戦略レベルのジャストアイデア(順不同)
・家飲み用の手土産おつまみの定番ポジションを獲得
・スティックつまみのメニュー開発
→野菜スティック、かつおスティック、肉のスティックなどのスティックパーティー
・箸を使わず、また手を汚さずに食べられる本格おつまみ路線
→パソコンやスマフォをしながらの、ながら飲み専用スナック
・食べ方ワードの開発と普及
→例:かぶり食い、まるかじる、カジラー、スティックイート 等
参考になる点
価格設定・大きさ・スティック形状の絞り込みによって、ユーザーに手軽に食べられるベネフィットを提供している点は大いに参考になります。家飲みシーンでのおつまみは、食事と違って食べ方が様々なので「手軽さ」は大きな価値になります。例えば、「箸を使わなくてもいいちゃんとしたおつまみ」だけでユーザーにとっては魅力的な購入理由になるでしょう。
おつまみに限らず、食品全般で“まるかじり”のシズルに可能性がありそうな気がしました。うまくコンセプトメイキングすれば“思わず食べたくなる~商品”というイメージを想起させる開発ができそうに思います。
躍動感など、かつおには魅力的なイメージがまだまだ眠っていることが、今回のケーススタディでわかりました。こういう時代だからこそ、かつおのダイナミックなパワーが必要なのかもしれません。
(2011.7.31 東京都中央区銀座のアンテナショップ「まるごと高知」で購入)
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