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2011年9月12日月曜日

土佐一本釣り姫かつお(塩味) (高知県土佐清水市)






商品概要
かつおの身を特製たれで漬け込み炙り焼きにした。
保存料・着色料未使用、室戸海洋深層水使用、土佐清水産宗田鰹使用。
製造者 土佐倉株式会社
価格:189円(税込み)

品質(試食の感想)
 本格的なかつおの味わいがあり、見た目は小ぶりだがしっかりした食べ応えがあって十分に満足できます。ソーセージをガブリと丸ごとかぶりつくシズルが合いそうな形状と太さで、ワイルドな食べ方が似合ういそうです。
(少しマニアックなアナロジー テレビドラマ「傷だらけの天使」のオープニングで萩原健一が魚肉ソーセージを食べるカット。これを見るとやたらソーセージをかぶり食いしたくなります。)

コンセプト
 一言でまとめると、かつおのうまさを手軽に味わえる、まるかじり・おつまみスティックということでしょう。
【かつおの味】=本格=土佐清水産宗田鰹使用
【かつおイメージ】=躍動感、はじける、荒々しい、タフネス、メジャー感
【まるかじり】=豪快、ワイルド=海の男の荒々しさ
【手軽】=スティック状・大きさと太さ・コストパフォーマンス
などの要素が商品から読み取れます。
 ユーザー価値から考えると、まるかじりのシズル訴求、家飲みシーンの拡大にのった手軽なおつまみ訴求の2方向が将来の方向性として考えられると思います。

ネーミング
 オーソドックスな直球勝負のネーミングでわかりやすいです。
 ただし、インパクトや訴求力についてはどうでしょうか?
 「一本釣り」のイメージについては、40代以上は青柳裕介のコミックから受けた影響が大きいでしょうが、2030代層がどのようなイメージを想起するか知りたいところです。

パッケージ
 「なとり」は「若年層の家飲みシーンの拡大」に気づいたのか、最近はターゲットを絞り、洗練されたパッケージ開発に取り組んでいます。実際、家飲み用の低アルコール商品の開発・発売も盛んになっており、この流れは今後大きくなるでしょう。コンビニのおつまみコーナーも商品ラインナップが変化しています。
 本商品は現状でもデザイン的に洗練されておりソフト化路線を意識していることがうかがえます。実際、店頭でも目立つちます。商品ラインナップとカラーリングに特徴があるからだと思います。
 今後さらにこのソフト化路線を強め、若年層を意識した方向性にシフトしてはどうでしょうか?カギはロゴの処理のような気がします。

プロモーション
 戦略レベルのジャストアイデア(順不同)
・家飲み用の手土産おつまみの定番ポジションを獲得
・スティックつまみのメニュー開発
 →野菜スティック、かつおスティック、肉のスティックなどのスティックパーティー
・箸を使わず、また手を汚さずに食べられる本格おつまみ路線
 →パソコンやスマフォをしながらのながら飲み専用スナック
・食べ方ワードの開発と普及
 →例:かぶり食い、まるかじる、カジラー、スティックイート 等

参考になる点
 価格設定・大きさ・スティック形状の絞り込みによって、ユーザーに手軽に食べられるベネフィットを提供している点は大いに参考になります。家飲みシーンでのおつまみは、食事と違って食べ方が様々なので手軽さは大きな価値になります。例えば、「箸を使わなくてもいいちゃんとしたおつまみ」だけでユーザーにとっては魅力的な購入理由になるでしょう。
 おつまみに限らず、食品全般でまるかじりのシズルに可能性がありそうな気がしました。うまくコンセプトメイキングすれば思わず食べたくなる~商品というイメージを想起させる開発ができそうに思います。
 躍動感など、かつおには魅力的なイメージがまだまだ眠っていることが、今回のケーススタディでわかりました。こういう時代だからこそ、かつおのダイナミックなパワーが必要なのかもしれません。

2011.7.31 東京都中央区銀座のアンテナショップ「まるごと高知」で購入)




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豆麩 (「松屋のまめ麩」 福島県須賀川市)







対象商品


「豆麩」(「松屋のまめ麩」  福島県須賀川市)
 今回は、固有ブランドである「松屋のまめ麩」を通して、麩の種類の一つである「豆麩」についてスタディしてみたいと思います。



商品概要
 麩を製法で分類すると生麩、揚げ麩、焼き麩などの種類があります。形から分類すると、焼き麩だけでも全国に豆麩、板麩、まんじゅう麩、車麩、丁字麩等々があります。
 豆麩とは文字通り、大豆の粒ぐらいの大きさの焼き麩で、福島県会津地方の郷土料理である「こづゆ」に使われる食材です。ちなみに「こづゆ」とはお正月・結婚式・節句など、おめでたい時に必ず作られる縁起のいい料理だそうです。

「松屋のまめ麩」は、直径5mm1cmほどの大きさです。
パッケージの裏書きは以下の通り。
注目の植物性高タンパク質食品! おふくろのまごころをつたえる「松屋のやき麩」 心ふれあうお料理に!

製造:松屋のやき麩本舗 大橋製麩所 (HPはない模様)
原料:小麦粉、グルテン 価格:210円(NET 70g) 

品質(試食の感想)
 みそ汁に入れて食べてみたところ、いくつもの白い小さな玉がぷよぷよとお椀の中に浮いていて、いいアクセントになっていました。味はほのかなやさしさを感じる味で、押しつけがましさはありません。
 ハンバーグを作ったときに餡の中に一緒に混ぜ込んでみたところ豆麩を噛んだときのぷにゅっという食感が楽しかったです。ボリュームが増えるのもいいと思いました。

コンセプト
 豆麩は会津の縁起のいい郷土料理の食材の一つですが、それだけで語るには惜しい食材 だと思います。この商品のモノとしての本質は以下の点にあり、それらが明確にコンセプト化されると、世の中にもっと受け入れられるのではないでしょうか。
 まず、麩は以下のような点で、今、注目されているカテゴリーです。
・低脂肪、高タンパク、消化吸収力が高い、アミノ酸含有などの特徴があるため、健康志向の食品として注目を集めています。実際、ベジタリアンやマクロビオティックなどの食生活をしている人が愛用しているそうです。
・応用のきく食材として創作レシピやアレンジメニューでよく使われています(ex.北斗晶の節約レシピ等)。
 他に、B-1グランプリの登米・油麩丼で話題となりましたし、実際に店頭でも品揃えが増えていると思います。

 このように注目されている麩カテゴリーの中で、豆麩はオンリーワンのポジションにいると思います。なぜかというと、小さな形状と個性(味、食感)を主張しない控えめな存在であることを逆手にとって、ユーティリティープレイヤーとしてブレイクする可能性を秘めているからです。
 生麩や揚げ麩は味の主張が強く、それだけでメニューの主役になれる食材です。一方、焼き麩はもともとが応用されることが前提で、汁物、椀物、和え物、煮物などに幅広く使われています。これは精進料理の食材として重宝されていたという背景があるからでしょう。他にもすき焼きなどの鍋物にも使われます。
 そのような幅広いメニューで使われている焼き麩の中でも、豆麩は小さな形状という特性から、和食という範疇を越えてスイーツや飲み物などのトッピングアイテムとしても使われているようです。豆麩をWeb検索してみると、キャラメルポップコーン、ココアプディング、飲み物(ミルク等)やヨーグルトのトッピング、ミニトマトやはちみつなどと一緒にしたみつ豆感覚のメニューなどがヒットしました。どれも、それなりのクオリティがありそうで、一度は作ってみたくなるものばかりです。今後、こういうメニューやレシピはどんどん増えていくでしょう。
 以上のようなポイントを踏まえると、斬新なリニューアルや新商品開発ができると思います。

ネーミング&パッケージ 既存商品のエクステンションや新商品開発を前提として
 方向性としては2つ考えられます。
 一つはエッジを立たせないことをエッジにした方向性で、例えば「無印良品」のようなシンプルなものです。
 もう一つは、をモチーフにしたポップ路線で、キャラクターの活用、料理やデザートを作る楽しさを演出、といった方向性が考えられます。

プロモーション
 「こづゆ」のDNAを使うならば2つほどあるのではないでしょうか。一つは、縁起=ラッキーをキーワードにした願掛けの方向性で、例えばキットカットのようなやり口です。もう一つは、家族にいいことがあった日のお祝いの料理に入れるというもので、願掛け食材的なアイデアです。どちらも、クチコミがきっかになって話題が広がることが理想です。
 もう一つ、ユーティリティープレイヤーという性格にフォーカスするならば、豆麩を使ったレシピやメニューをWebや店舗、パッケージなどで露出する手立てがあると思います。一定の手応えがあった段階で、アイデアレシピコンテストといった次のステージに切り替えるといいでしょう。

参考になる点
 郷土料理というベールの下に大事な本質が隠れている、ということがわかりました。どんな商品であれ、先入観を一度捨てて素の状態で見つめ直すことが重要ななのだと改めて思いました。
 この商品は、野球でいえばワンポイントリリーフのピッチャーかもしれません。エースで4番ではないですが、ここぞという時にいい働きをする玄人好みの選手です。名監督はその選手の潜在能力を見抜き、適材適所の活躍の場を用意するといいます。地域産品も、その商品の特質を見抜いた上で、どのような時と場合にその良さを発揮するかを考えることが大事だということもわかりました。

2011.7.31 福島県八重洲観光交流館で購入)



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